
人前に出て何かをする時や、失敗できないような大事なシーンでは緊張して、汗をかくことは誰にでもあることでしょう。そんな時、特に手にかく汗に悩んでいるという人は少なくありません。
書類や本などを持っていると、気付けばビショビショに濡れてしまったり、スマホを操作していると、誤作動をおこしてしまうことも。
また、恋人と手をつなぎたいと思っても、手汗が嫌がられるのが怖くて手がつなげない、握手が出来ないなど、ありとあらゆる場面で障害となりかねません。
恥ずかしくて人に知られないようにしている人も多く、周りに相談できずに一人で抱え込んでしまうこともありがちです。
この記事の目次♪
汗をかくことは必要だけど……手汗のメカニズム
人には全身に汗腺があり、そこから汗をかきます。汗は誰でもかくものであり、そうでなければ体温調節が出来ずに、体に熱がこもったままになってしまいます。汗をかくこと自体は人間に必要不可欠なことなのです。
しかし、その汗が手から異常になほど出てくるのは、身体からの何かしらのサインである可能性が高いと考えられます。
まずは、汗をかくメカニズムについてみてみましょう。そのためには、自律神経についての説明が必要です。
自律神経の働き
自律神経とは、血液や呼吸、消化など、体内のありとあらゆる機能を整えてくれる神経で、汗をかくことで体温調節を行うのも自律神経によるものです。循環器や消化器、呼吸器等、体の様々な器官の調子を整える為に、自律神経は常に働きかけています。
その自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、昼間などの活動中に交感神経が、夜間など睡眠中や休息時には副交感神経がそれぞれ活発に働くことで成り立っています。
この2つの神経がしっかり働いていることが大切なのですが、そのバランスが崩れると、いわゆる自律神経失調症となります。体に様々な不調が起き、時には他の病気や精神的な不調を引き起こすことにもなりかねません。
時には、原因不明の体調不良に悩まされていたのが、自律神経を整えるだけで改善されることも多くあります。
汗は交感神経が調節
汗をかくのは体を動かした時や緊張したり興奮した時、また辛い物や熱いものを食べた時などであり、これは交感神経が働いている時となります。
汗は副交感神経ではなく、交感神経が調節しており、発汗量の調節も行うのは交感神経のみです。そのため、交感神経・副交感神経のバランスを整えることだけでは手汗の問題は解決しません。交感神経の乱れを何とかしなければ、根本の解決とはならないのです。
汗を出す汗腺には2種類ある
次に、汗腺について解説します。汗腺には2種類あり、アポクリン腺とエクリン腺と呼ばれます。それぞれに出てくる汗に違いがあり、特徴があります。
アポクリン腺
アポクリン腺は、脇や乳首、性器など、いわゆるフェロモンや生殖に関わってくるような部分に存在しており、臭いを伴います。
エクリン腺
エクリン腺は全身に渡って存在しています。エクリン腺から出る汗は、その99パーセントが水分であり酸性です。主に頭や顔・背中に多くあり、手のひらにもあり、手汗はこのエクリン腺から出るものです。
よって、手汗とは、交感神経の不調により手のエクリン腺から異常に発汗が起こってしまう症状であることがお分かりいただけたと思います。
残念ながら、交感神経に対しても、エクリン腺に対しても、自分でコントロールすることは当然出来るものではありません。そのため、自分の意図しない場面で汗が吹き出したり、異常に多く出たりしてしまい、止めることができないのです。
代謝の疾患?手汗の原因
ここまで、手汗が出るメカニズムについて解説しました。次は、手汗が発生する、さまざまな原因についてご説明します。
手汗の原因は人により様々で、多くのことが考えられます。手汗が出てくるエクリン線は、自律神経の不調によって刺激され、体にも心にも関わってきます。
ホルモンバランスが崩れている
精神的なストレスや生活習慣や加齢などによるホルモンバランスの変化など、誰にでも起こりうるものであることも少なくありません。また、病気により手汗の症状が引き起こされていることもあります。
考えられる病気は、糖尿病やバセドー病・褐色細胞腫・甲状腺刺激ホルモン産出腫瘍など、様々なものがあり、自分で判断ができない場合や、汗以外でも気になる症状がある場合には、病院で医師に相談してみましょう。
女性ホルモン
女性に多いものとして、加齢による更年期障害、妊娠や月経に関連してホルモンバランスが崩れることも原因としてあります。更には、肥満や生活習慣は、日々の積み重ねにより、なかなか気付かない内に影響を及ぼしている可能性があり、注意が必要です。
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甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になる疾患です。
バセドウ病のような自己免疫疾患や、甲状腺炎、プランマー病、のような、甲状腺ホルモンの過剰摂取などが原因となります。
心拍数が増加するので発汗などの症状がみられ、他にも脱水症状や高血糖、震え、息切れなどの症状が出ることがあります。
医療機関に行けば血液検査でわかり、飲み薬などで対応できることも多いので、心配であれば一度検査をしてみるといいでしょう。
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暴飲暴食による自律神経の刺激
暴飲暴食や、熱いものや辛い物を過剰に食べると、汗をかきやすくなり、普段から飲まれているコーヒーや紅茶に含まれるカフェインも同じく、発汗を引き起こします。たばこの吸いすぎも、多汗症につながるといわれています。
あらゆることが要因となって自律神経が刺激されることで、交感神経が敏感になってしまうと、尋常ではない汗をかくようになり、特に手汗が多い人は、生活する上で不快感や支障が出始めます。
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ストレス
身体的なことが原因の場合には、病気の場合は医師にかかり適切な処置をすることで改善が期待できます。精神的なストレスが原因であれば、そのストレスを取り除くことが必要です。
暑いわけではないのに汗が止まらなかったり、あがり症であったりすれば、人と関わることがストレスになっていたり、悩みや環境によるストレスなど、千差万別です。
また、手汗の悩みでありがちなのが、汗をかくこと自体が大きなストレスとなるパターンです。緊張する度に汗をかく為、そのようなシーンが訪れる度に気になってしまい、更に汗をかいてしまうのです。
汗をかくことを考えること、想像するだけでもストレスとなり、それが積もっていきます。こうなると悪循環に陥ってしまうことになってしまい、なかなかその状況から抜け出せなくなります。
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原因となる病を取り除けば手汗は改善される
手汗が原因で人に会うことが嫌になってしまったり、ひどい人では引きこもったり、うつ病などにつながっていく可能性すらあるのです。
ストレスは自覚せずに溜まっていくこともある為、知らない内に溜めこんでしまい、ある時急に多汗症になることもあるでしょう。
このように、単に手によく汗をかくと言っても、そこには様々な要素が含まれています。
どんな場合にも、自分に合った対処法を見つけるのは難しいことですが、決して体質だからと諦める必要はありません。遺伝が原因だと考える人もいますが、体質や性格が似通うことがあっても、多汗症自体が遺伝するとは考えにくいとされています。親が多汗症だから仕方ないと思うことはありません。
原因となるものを取り除いていけば体質が変わり、症状が出なくなることもあります。また、いくつかの要因が重なっていることも考えられますので、少しずつ改善を目指していきましょう。
手汗の原因に効果のあるアイテム
手につけるだけで簡単なファリネという商品があります。
これならば、飲み薬を飲んでいる状態でも利用できるので、体調が改善するまでのお助けアイテムとしても利用できます。
ファリネを使っただけで、手汗が全く気にならなくなった人もいるくらい効果に定評があります。
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公式サイト通販で購入可能なファリネ(farine)公式サイト
他にも塗るだけで改善が期待できる商品がいくつかありますので試してみるといいでしょう。
まとめ
- 汗をかく原因には自律神経が関係している
- 汗腺には2種類あり交感神経の不調により異常な発汗が起こる
- 病気・食生活・ストレスなど原因は多様
- 遺伝の可能性は低いので原因を取り除けば改善できる